2011年7月に、プレス機械およびシャーの安全装置構造規格が一部改訂されました。施行後1年半が経過しましたが、改めて、主に光線式安全装置の項目について記します。
主な改訂点として
- 防護範囲の改訂・・・『ストローク長さ+スライド調整量の全域防護』から『必要な長さの全域防護(具体的にはダイハイト+ストローク長さ)』への改訂
- 性能アップ・・・『光軸ピッチ』から『連続遮光幅(遮光検出能力)MOSの導入』による検出性能のアップ
- 安全距離設定の改訂・・・連続遮光幅性能による追加距離の設定
- 送給装置使用時の無効光軸設定の許可
があげられます。
1. 設置要件について
2. よくある質問
Q: 現在使用している安全装置が壊れたので交換しようと思います。同じものでいいのでしょうか。 A: 現在ご使用いただいている安全装置の投受光器、あるいはコントロール・ボックス等部品のみの交換の場合は、従来の機種のものでOKです。全体交換される場合は、新しい構造規格に従い、安全装置を選定する必要があります。防護範囲は『ダイハイト+ストローク長さ』、連続遮光幅仕様に応じた安全距離設定となります。
Q: 現在使用している安全装置は、すぐ新しい機種に交換しなければならないのでしょうか。 A: 現在ご使用中の機種はそのまま使用しても問題ありません。更新する時に新構造規格に適応した機種をご検討下さい。
Q: 光線式安全装置が付いていないプレスに安全装置を取付けようと思います。どのような機種を選定すればよいでしょうか。 A: 新構造規格の要件に合致した内容で選定してください。また、新構造規格の設置要件を満たす取付工事を行って下さい。
Q: 中古プレスを購入しました。取付いている安全装置は相当古いものですが、そのまま使用しても問題はないのでしょうか。 A:原則として、新構造規格合格品への交換をお願いします。 また、当該労働基準監督署への設置届が必要となります。
Q: プレスブレーキには必ずレーザー式安全装置を取付けなければならないでしょうか。 A: 元々プレスブレーキもプレス機械の1種ですので、何らかの安全対策が必要でした。従来からある光線式安全装置、ガードに加え、今回の一部改正により、レーザー式安全装置が認可され、プレスブレーキの安全対策としての一手段となります。したがって従来からある安全装置、ガード、レーザー式安全装置等の中から、お客様が選択する事になります。レーザー式安全装置は、安全性と同時に作業性も実現できる手段ですので、この新機種を推奨させていただきます。ただし、使用するプレスブレーキの仕様に一定の条件があり、すべての機械に取り付けることはできません。