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安全コラム

光線式安全装置によるプレス機械への安全対策

規格の視点から光線式安全装置によるプレス機械への安全対策について説明します。

光線式安全装置は、受光器が投光器の光線遮光を検出し危険部の作動を停止させるための装置です。 次の写真が弊社の光線式安全装置RPXです。

プレス機械向け光線式安全装置

我が国においてプレス機械に取り付ける安全装置は、プレス機械又はシャーの安全装置構造規格への型式検定(または検定)に合格している安全装置でなければなりません。光線式安全装置という用語は、前述の構造規格で使用されている用語です。国際規格を取得した安全装置であっても型式検定を取得していなければプレス規格の安全対策として使用することは認められていません。

日本以外の国で使用する場合の光線式安全装置

プレス機械又はシャーの安全装置構造規格で定義されている光線式安全装置は、国際規格(IEC61496-2)で下記の通りライトカーテンとして定義されています。国際規格におけるライトカーテンの使用用途は、プレス機械と特定されず全ての危険部への人体侵入検知に使用することができます。

3.205 ライトカーテン(light curtain)
一対又は複数対の投光部及び受光部の組合せから成り立ち,供給者が指定する検知能力及び検知区域をもつAOPD*1
注記 大きな検知能力をもつライトカーテンは,光グリッドと呼ばれることがある。

出典:JIS B 9704-2

ライトカーテンの性能にはType2とType 4の2種類があります。IEC62061またはISO13849-1に基づいた安全対策としてライトカーテンを使用する場合、リスクアセスメントにより決定した安全装置に要求される安全性(SIL*2またはPL*3)に対応したTypeのライトカーテンを使用しなければなりません。弊社は、Type2とType4の両方のライトカーテンをラインナップしています。

  Type 2 Type 4

IEC62061及び

IEC13849-1による安全機能

SIL2

SIL CL 2

PL d

SIL3

SIL CL 3

PL e

出典:IEC61496-1:2012
*1 AOPD(能動的光電保護装置)
投光部から照射された光を受光器の通光確認によって投受光器間に人体の一部がないことを検出する装置です。ライトカーテンは広義な意味でAOPDです。
*2 SIL(Safety integrity level, 安全度水準)
IEC62061で定義されています。SIL1~SIL4までありSIL4がもっとも安全性が高いです。
*3 PL(Performance level, パフォーマンスレベル)
ISO13849-1で定義されています。PLa~PLeまでありPLeがもっとも安全性が高いです。