AKASシリーズはドイツ・Fiessler社が1995年に開発、以後ヨーロッパ、アメリカで15年の実績を有しているプレスブレーキ専用の安全装置です。レーザー光による侵入監視を行い、金型に直接挟まれるような重大災害を未然に防ぐ役割をメインとしながら、スライド速度の監視、側面ガードの開閉監視機能他も備え、プレスブレーキの複合型安全管理システムの中枢として、今後のプレスブレーキ安全対策の核となっていく製品です。
ヨーロッパではプレスブレーキの約8割にレーザー式安全装置が設置されていると報告されています。当社は長年の国内光線式安全装置販売・製造実績から、制御コントロールボックス化他改良を加え、日本の各機械への取付け・使い勝手を充実させました。
レーザー光線は図中の様に配置されており、通常速度による閉じ運転中は感知光線全てが有効動作しています。感知光線が手指などの侵入を検出したら機械停止指令を出力します。
材料に近づき閉じ速度が低閉じ速度10mm/secに切り替わった時点で、材料に近い感知光線(パンチから最も遠い感知光線)が無効となります(監視を止めます)。これによって、材料による感知光線検出を防ぎながら侵入監視を継続します。
低閉じ速度による閉じ運転中、最終最後の感知光線(パンチに最も近い感知光線)が材料に当たる直前に無効化され、全ての光線が無効化されます。これをミューティングと呼びますが、ミューティング機能が開始された時には、パンチー材料間には手指の侵入する物理的隙間が無く、作業安全が確保された状態ですので安全に作業を継続できます。
これにより、無事曲げ作業が完了し、機械は開き運転に転じます。
このように、レーザー式安全装置AKASは低閉じ速度範囲内でスライドの位置に応じて、各レーザー光の無効化を図り、材料加工と作業者の安全の両面を確保していく機能を持っています。
平材料加工だけでなく、箱曲げ加工にも対応可能です。箱曲げ加工時には、作業前に「箱曲げ加工」用スイッチを押しボタン或いはフートスイッチを押すことにより、箱曲げモードに入ります。その場合、光線2及び3は当初より無効になります。箱曲げモードは1サイクル動作毎にリセットされます。