理研オプテック

安全コラム

光線式安全装置の連続遮光幅について

2011年7月に、プレス機械、シャーの安全装置構造規格が一部改訂され、新しい考え方が導入されました。

主な改訂点として

  1. 防護範囲の改訂・・・『ストローク長さ+スライド調整量の全域防護』から『必要な長さの全域防護(具体的にはダイハイト+ストローク長さ)』への改訂
  2. 性能アップ・・・『光軸ピッチ』から『連続遮光幅(遮光検出能力)MOSの導入』による検出性能のアップ
  3. 安全距離設定の改訂・・・連続遮光幅性能による追加距離の設定
  4. 送給装置使用時の無効光軸設定の許可

があげられます。

    

今回は『連続遮光幅(遮光検出能力)MOS』について記します。

プレス機械又はシャーの安全装置構造規格、第20条第2号に述べられている「連続遮光幅」の定義については、基発0218・3号(プレス機械又はシャーの安全装置構造規格内容20条関係 イ 項)に記されています。 「検出機構の検出能力を表すものであり、例えば、連続遮光幅を30ミリメートルとした場合は、30ミリメートルの円柱形状の試験片(遮光棒)を検出面内にどのような角度で入れても検出機構が検出できるものであること」とあります。

MOSはMinimum Object Sensitiveの略で『最小検出物体幅』の意になります。IEC61496では『検出能力→Detection capability』と表現されているようです。『最小検出物体』の意になります。
表現は異なりますが、遮光棒を安全装置の上側から挿入し、通光することなく、遮光状態のまま維持できる性能になり、光線式安全装置の性能の指標となります。また、同じ光軸ピッチであっても、下図のようにレンズ径が異なる場合、連続遮光幅が異なる場合が生じます。カタログ等で製品仕様/連続遮光幅(遮光検出能力)の数値をご確認ください。

(2018/9/18 記事訂正)次の誤りがございました。謹んでお詫び申し上げ、ここに訂正いたします。

誤 30ミリメートル以下の円柱形状
正 30ミリメートルの円柱形状