理研オプテック

安全コラム

新構造規格施行後の現状

2011年(平成23年)7月に構造規格の一部改訂が施行されてから、早2年が経過しました。 新構造規格施行前と施行後の現在との比較により、新構造規格がどこまで浸透しているか、また今の段階でのプレス機械の安全に関する新提案を以下に記載します。

1.防護範囲の変化

右図は施行前の2010年と施行後の昨年での当社の光線式安全装置の平均防護範囲を比較したものです。(国内出荷した光線式安全装置防護範囲を合計し、単純に出荷数で割ったもの) 2010年と比較し約110mmの差が出ています。御承知の様に、従来は『ストローク長さ+スライド調整量』を防護することから、新規格では『必要な長さ=ダイハイト+ストローク長さ』に変更されており、その差がこの110mmとして表れています。即ち新規格が浸透しつつあるとの見方ができます。

2.補助光軸について

安全装置取り付けにあたり、構造規格第131条に「光線式安全装置の光軸とプレス機械のボルスタ前端との間に身体の一部が入り込む隙間の有る場合は、その隙間に安全囲いを設ける等の措置を講じる必要がある」と規定されています。 左図の様に主光軸と補助光軸を専用ケーブルで直列に接続して使用します。新構造規格施行前は、機械メーカ-での新規プレス出荷時での取り付けが主でしたが、施行後はユーザー様での取り付けが増えてきています。リスクアセスメントの観点からも今後は更に増加すると考えられています。

3.送給装置無効について

新規格で第20条において、加工物の送給、排出のための送給装置又は突出した下型等を備えたプレス機械において、規格に記載されている条件の範囲で光軸の無効化が認められました。 当社では、いち早く安全装置新構造規格の一部無効化の条件を満たした機能を持つ新型安全装置を開発し業界初の型式検定を取得しました。今までは材料の供給装置、コンベア等で光軸を遮る物体がある場合では全ての光軸を無効にしなければなりませんでしたが、当社の安全装置『RPX-BP』をご利用いただければできるだけ多くの光軸を使用し、少しでも安全を確保した作業が可能になります。 左図の様にコンベア等で加工品を手前に取り出す場合、下型が安全装置を遮ってはみだしてしまうような金型の作業に最適です。

4.プレスブレーキ専用安全装置の認可

従来、加工材料を手で支える作業を主としたプレスブレーキの曲げ加工において、適切な安全装置はなく、汎用プレス機械の労働災害の著しい減少傾向とは異なり、下図の様にプレスブレーキの災害はあまり改善されていませんでした。逆に発生頻度から見ると、増加傾向さえ見られる昨今の状況でした。

そこで新構造規格では、欧米で広く使用されているレーザー式安全装置がプレスブレーキ専用の装置として認可され、以降プレスブレーキの主たる安全装備として、新規、既存のプレスブレーキ安全対策として活用されつつあります。新規格施行前後では、下図の様にレーザー式安全装置の採用量が著しく増加しています。

5.機械周囲防護について

安全衛生規則改訂及びその附則(基発第218号の2)に記述があるように、ストローク端のある工場内機械も安全化対策が強化され、自動プレス機械の周囲防護対応が重要視されることになりました。自動機、送り装置・アンコイラー等材料供給装置、ムービング・ボルスタの動作範囲、一般機械の周囲防護等がその対象となります。 下図の様に、光線式センサーを使用する場合、コーナーミラーを用い、2-3面防護を行い、2-4光軸センサーにより侵入検知を行う例が一般的です。

6.開口部ガードの活用

プレス工場内のリスクアセスメントによる危険源を特定したのちの対策として、特に後面、側面等、プレス機械の開口部の危険リスクを低減する目的として、ガードの設置が有効であると考えられます。電気的なインタロック機構も装備し、有効使用、管理を行う事でより的確な安全対策となります。正面の光線式安全装置での防護に関しても、ガードとの併用で金型内からの飛来防止、危険個所の強制遮断等、更なる安全化が推進できます。側面、後面ガードに関し、近年機械メーカーにおける新規プレス生産時に装備される事例が増えています。

7.安全装置の適正使用と管理について

当社の安全装置をはじめ、安全化機器は、その仕様通りに適確に使用し、また有効活用を管理してこそ、その機能を発揮するものです。

  1. 規格に記載されている使用条件(選定、安全距離・最下位光軸の設定等)を遵守する事
  2. マニュアル等で指示されている『始業点検』を必ず行う事(遮光棒による遮光確認等)
  3. 年次点検を行う事(プレス機械の年次点検、さらに安全装置本体のメーカーによる点検)