理研オプテック

安全コラム

荷重計の経験談

今回の安全コラムでは、私が中国担当時に中国のお客様で実際に体験した案件をご紹介致します。当社は、商社を通じて中国へ荷重監視装置を販売しております。

私が中国広東省へ出張中に荷重計を販売した商社からSOSの連絡が入り、急遽、取付中の現場へ駆け付けたことが有りました。機械は、中国ローカルメーカー製500tonストレートサイドプレス(タイロッド式)。荷重計を取付(歪センサーは、アップライトに取付)。荷重校正が出来ないとの事。

私も商社のサービスマンに合流し、荷重校正作業に参加し状況を確認しました。すると徐々にロードセルにかかる荷重を上げて校正点へ調整している最中、ロードセルの値(約110ton)から荷重計の表示が上がらないという現象が生じていました。

加圧力110tonまでは、ロードセルと荷重計の表示は同じ値を示すのですが、110tonから200tonの間では荷重計の表示がロードセルと全く違う値を示すのです。

私達はこれまでの経験からこの現象の原因をある程度特定することが出来ます。
通常、アップライト部分は、タイロッドによりプレス機械の圧力能力以上の力で上下から締め付けられています。つまり、縮んでいる状態であり、荷重がかかることで復元します(伸びる)。荷重計は、この伸びを歪センサーで感知して荷重値として表示しています。私は、今回の機械は、十分にタイロッドが締まっていないことが原因で、歪センサーが伸びていないからである。そして、この状態が顕著な場合、プレス機械加圧時にクラウンとアップライトとの間に隙間が生じることさえあります。と説明しました。
無論、全てではありません。クラックやその他の原因の場合もあります。

ここの説明を聞いたお客様の担当者の方がクラウンとアップライトの隙間に隙間ゲージを差し込む態勢を整え、起動して欲しいと要望されました。

その為、プレス機械を起動すると隙間ゲージが挟まりました。この状態を確認した担当者の方は驚いた様子でしたが、納得したと仰って頂きました。

商社のサービスマンへは、プレス機械の修理が必要であること、その後に再校正を実施頂くことを説明しました。
後日、修理後、校正が完了し納入出来ましたとの報告を受け取りました。