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安全コラム

安全とは -ヒューマンエラーについて-

私たちは漠然と「安全」という言葉を使います。
では、「安全」とはどういう意味なのでしょう?
広辞苑で調べたところ、次のように記載されています。

  1. 安らかで危険のないこと。平穏無事。
  2. 物事が損傷したり、危害を受けたりするおそれのないこと。

従って「許容できないリスクを減らす事、危険をゼロにする」活動を通じて達成される究極の目標が「安全」となります。
リスクアセスメントを活用したリスク低減活動を行っている企業が増えつつある昨今ですが、未だに災害が発生しています。

ここでご紹介したいのが、「ハインリッヒの法則」です。
この法則は、1929年にアメリカの損害保険会社の調査部門で副部長を務めていたハーバート・ウイリアム・ハインリッヒが発表した論文に出てきたものです。
概要は以下の通りです。

1件の重大事故・災害の要因には29件の軽微な事故・災害があり、さらに29件の軽微な事故・災害の要因として300件のヒヤリ・ハット事例があるというものです。
重大な事故・災害とは、死亡や重大な後遺症につながるものです。
軽微な事故・災害とは、応急手当をして済むかすり傷程度のもの(不休災害)です。
その下に、手当を必要としない無傷の事故「冷やりとした」「ハッとした」(滑ったなど)事例が存在しています。

ヒューマンエラーとは
ヒューマン=人
エラー=失敗
人は時として不安全行動をとることがあります。
その行動が要因となり、災害に結び付いている事が多くあります。

例を挙げてみましょう。
2人作業中のプレス機械内で、1人が金型修正作業をしているにも拘わらず、もう1人が起動ボタンを押してしまい、重大災害が発生した。

・プレス機械に入る際に声掛けをする。
・入った後は非常停止ボタンを押す。
・操作禁止の掛札をする。
・起動前に機械内を目視で確認する。

これらを確実に行えば例のような災害は発生しなかったかもしれません。
しかし、作業者の慣れや心理状況により「ありえない事が起こる」ことは充分考えられる話です。
これがヒューマンエラーです。

初心者の時は指示された事や作業工程をきちんと守っていたにも拘わらず、慣れてくると「効率化」を求める中で、作業書に記載されていない事を行ったり手抜きをしてしまうことがあります。
それらが常態化し重なっていくと、人的要因による災害が発生する可能性は増大します。
「失念していた」「うっかりしていた」は業務に限らず、日常生活の中にも起こる事であり、だれしも経験がある事です。後々考えて「何であんなことしたのか」と思う経験をした方も多いでしょう。
人間は完璧な生き物ではありません。従って残念ながら、ヒューマンエラーが無くなることはありませんが、環境や指示系統の見直しなどで軽減させることは可能です。それでも災害の可能性が無くなったわけではありません。
人の不安全行動を抑えつつ、物理的な安全対策を施すことで安全は強化されます。

一例として仮に起動ボタンを押しても機械が動かない、動いても存在を検知したら途中で止まるといった、機械内の安全を確保するために「光線式安全装置」を設置する方法があります。
もっともスタンダードな方法であり、弊社でも多くの設置事例を持っています。

機械のリスク査定を行い、残存リスクを洗い出して対策するという一連の活動を継続的に行う事で、リスク低減を図ることが可能です。さらには人の不安全行動による災害を起こさない環境づくりも安全な作業を行う上で重要な要素となります。

お客様にとって最適なご提案をさせていただきますので、お近くの弊社拠点へお気軽にご相談いただけましたら幸いです。

日々の安全活動を活発に行い、ゼロ災害で行こう! ヨシ!ご安全に。